十二国記 黄昏の岸 暁の天/小野不由美/講談社X文庫ホワイトハート

登極から半年。順調に復興の兆しを見せていた戴だが、叛乱鎮圧のため地方に赴いた矢先、泰王の行方が知れなくなる。ほぼ同じ頃、泰麒は触に見舞われ、に流されてしまっていた。以来、戴は荒廃の一途を辿る。6年後、慶国で忙しい日々を送る陽子の元に、戴の将軍と名乗る女が現れた……。

これまでは、基本的に一つ一つの国に舞台を絞って話が進んでいたわけだけど、ここに来て大きく話が動きましたね。これ1冊で完結してないじゃないかと言われると、まあ泰麒の話としては微妙なところですけど、どっちかというと陽子寄りの目線で見てたので、あまり気にはなりませんでした。それより、待ちに待った世界の生い立ちに関する謎にいよいよ陽子たちが直面して、これからどのように国を作っていくのか、ワクワクしてます。そもそも、このシリーズ読み出したのってそこらへんを期待してのことだったんですよね。この話はまた別の機会を設けて書こうと思ってるけど、『スレイヤーズ』然り、『オーフェン』然り、『スクラップドプリンセス』然り、箱庭世界とか神さまの現出とか聞くだけで鼻息を荒くしてしまう精神の持ち主なので、ああいうのはたまりません。