DADDYFACE メデューサ/伊達将範/電撃文庫

DADDYFACEメドゥーサ (電撃文庫)DADDYFACEメドゥーサ〈2〉 (電撃文庫)DADDYFACEメドゥーサ〈3〉 (電撃文庫)DADDYFACEメドゥーサ〈4〉 (電撃文庫)


刊行ペースの乱れと、勢いが売りのシリーズであるのに伏線及び登場人物が多く、話の流れがいちいち寸断されてしまうということで、いまいち評判がよろしくないメデューサ編。幻の大陸アトランティスを舞台に、NATO軍、フォーチュン、ミュージアムが大乱戦を繰り広げる。


私としては珍しく4巻まとめて一気に読んだので、リアルタイムで追ってた人と比べると、細切れな展開によるストレスはあまり感じなかったと思います。ただ、やっぱり風呂敷を広げ過ぎた感はあったかなあ。張り巡らせた伏線をどう解消するか、ってのも物語の楽しみの一つだと思うんですけど、このシリーズの場合、基本的にその時を迎えたら敵味方に関わらず秘密をぺらぺら喋りだしてしまうので、そこらへんの「あれはああいうことだったのかー!」みたいなカタルシスが少ないんですよね。ラストで全ての伏線が綺麗に繋がる、みたいなこともないし。だからまあ、それぞれの話がそれぞれの形で決着を見ただけ、というか。


一方、今回の主人公と言っても過言ではない、麗華については、彼女が抱えている問題と状況をうまくリンクさせることで、うまく処理したんじゃないかなあと思います。ただ、やっぱりこのシリーズに人情物はあんまり求めてないというか……。


しかし、これが現在の最新刊だけど、もう2年前かー。次出る頃には色々と伏線忘れてるだろうなー。あと、4巻は誤植多過ぎ。