衛星ウサギテレビ(1)/衛藤ヒロユキ

衛星ウサギテレビ 1 (ガンガンコミックス)


衛藤ヒロユキ、久々の新作。マッグガーデンの『がじぇっと』からは1年半、ガンガンコミックスでは『グルグル』最終巻が2003年だから、えーと3年ぶりか。


あらすじは、なんといったらいいのか……。舞台は、草花と同じように、テレビやギターといった野生の"キカイ"が生まれるようになった世界。"野生のテレビ局"は、地球の集合的無意識を番組として放映している。ドクターGGはその機構を利用して地球乗っ取りを企んでいた。それに対し、地球の無意識は、"グリム戦士"なる番組を通してSOSを発信した。番組に選ばれた、某国の王子でロックに夢中のイービィと、その許婚テイジーはドクターGGを倒す旅に出ることに。……こんな感じ?


パッと見で目につくのは、絵柄の変化。強いて挙げるとするなら、ポップンのキャラデザイン?に感性が似てるかもしれない。murmur twinsとか、あの辺(全然関係ないけど、衛藤ヒロユキパーキッツ片岡嗣実って大学の同期らしい……って、すごい有効範囲の狭いネタだ)。結構尖ってて、受け入られない人もいるとは思うけど、やりたいことには合ってる感じ。ギャグも、『グルグル』終盤に比べれば大分復調してます。でも……打ち切りの匂いがするのは何故だろう?なんか、現在の立ち位置が藤崎竜とか武井宏之とかと被ります。


最大の収穫は、衛藤家のクドい顔の猫の存命が、あとがき漫画で明らかにされたことかな。御年18歳だそうで。でも、「死んだらシレーッと別の猫の話に切り換えます」という注釈が怖い……。