氷菓/米澤穂信/角川スニーカーミステリ倶楽部

氷菓 (角川文庫)


……確か、この人を初めて知ったのは、桜庭一樹関係でだったか。彼女のサイトからリンクが貼られてるかなんかしてて、見に行ったサイトの日記が結構面白くて。以来気になってはいたんですけど、まさかこの作品だけではてな内で200以上の感想が書かれるような人気作家になってたとは。もっと地味な売れ方してる人だと思ってました。


何事にも「省エネ」な生き方をモットーとする主人公は、高校入学と同時、OBである姉に頼まれる形で、廃部寸前の<古典部>に入部する。部員ゼロのはずの<古典部>の部室にはしかし、入部希望者の同学年の少女がいた。好奇心の塊である彼女に振り回され、主人公は学校に潜む日常的な謎を解いていくことになる。


これは当たりでした。最初、また無気力主人公かと少々げんなりしたんですが、これの場合はあんまり嫌味な感じがしなくていいですね。最終的に探偵役は主人公に依託されるわけですけど、謎を解くにあたって他のメンバーにもちゃんと役割分担がなされてるのが嬉しい。調べてきたことを発表するあたりでちょっと和みました。でも、この子たちちょっと頭良過ぎかも。語り口があんまり装飾的でなくて、文章が違和感なく頭の中に染み込んでくるのもいいですね。