星界の紋章/森岡浩之/ハヤカワ文庫JA

星界の紋章〈1〉帝国の王女 (ハヤカワ文庫JA)星界の紋章〈2〉ささやかな戦い (ハヤカワ文庫JA)星界の紋章〈3〉異郷への帰還 (ハヤカワ文庫JA)


いーまーさーらー。中高時代は、今以上に自分の中にレーベルの壁みたいなものがあったので、ハヤカワに手を出すことがなかったんですよね。


読み易く、ライトな雰囲気で面白かったです。サクサク読めました。特徴的と言われる世界設定もそうですけど、主人公とヒロインによる軽口の応酬に惹かれました。ラフィールは勿論のこと、意外としたたかなジントの人物設定がいいですね。あとがきで作者がラフィールに食われるのを心配してたけど、ちゃんとキャラ立ってると思います。参謀タイプの主人公といえば、「シャナ」の悠二とかも4巻まで読んだ限りではそんな感じだったけど、今どうなってるんだろか。


てか。真空世界ではラフィールが主導権握るけど、逆に地上世界ではジントが主導権握るって。こういうの学園異能っぽい構図だなあと思いました。いや、ずーっと前からよくある構図ではあるんだろうけど。ヒロインが非日常的な存在で、主人公が日常的な存在で。勿論、ここで言う日常ってのはジント視点の話で、ラフィールから見れば真空世界こそが日常なんですけどね。種族的な違いにより、そういった構図が強調されてると思います。結局、ジントは最後に非日常の方に吸収されちゃうわけですが、聞いた話では続刊でジントが故郷に戻るようなエピソードもあるらしく、そこら辺の心の揺れ動きが描かれることを期待しています。


……あー、あと、皆さんあのアーヴ語のルビって読む時に意識してます?私の場合、雰囲気作りの為のものなのかなーぐらいに思って、あんまり意識してなかったんですけど。


ちなみにあともう一つ、90年代を代表するシリーズで読んでないのがあるのですが、そっちもまあその内……。御前を離れず、詔命に背かず、忠誠を誓うアレです。


しかし作者の夢の中にラフィールが出てきたっていう話は本当なんだろうか。