時をかける少女inテアトル新宿


土曜に、テアトル新宿の2回目の奴を見てきました。1時間前に到着。整理券方式で、満員ではあったけど、思ってたほどではありませんでした。何故かグッズ売り場で「幻魔大戦」のパンフとか売ってたけど、あれはなんだったんだろ。角川アニメ映画繋がり?


事前の評判が絶賛気味だったんでどうかなーと思ってたんですが、面白かったです。ポジティブ票の多さよりは、ネガティブ票の少なさで絶賛という印象が残ったのかなあ。ともかく、主人公・真琴がよく走り、よく食べ、よく泣いていました。この映画を褒めるに当たりこれ以上の言葉は蛇足になる気もするので、以下隔離。ちなみに原作は既読、映画版はこれが初めて。細田監督の知識はほぼ皆無。

  • タイムリープした後、毎回真琴が登場する時、頭打つんだけど、そこのところの音響が、いちいち痛そうだった。「ごろごろごろ……どかっ!」っていうより、「ごろごろごろ……ぐしゃっ!」って感じで。高層ビルの屋上から飛び降り自殺して、肉が潰れたような感じ。いちいち首すくめてました。ギャグの音じゃないよアレ……
    • 痛そうということに関して言えば、最後の、真琴が坂道を転がり落ちてボロボロになるところが群を抜いてました。多分あれは、それまでタイムリープしても精神的にも肉体的にも全く追うことのなかったダメージが、一気に返ってきたっていう演出なんだろうけど……顔が歪むほどの傷が、すごい生々しくて見てて辛かった。自分は整ったアニメ美少女の顔が損傷を受けるということに慣れてないのだなあ、と思いました。
  • 劇場作品ということでよく動いてはいたけど、ガイナとかがお得意の、いかにもアニメ的な快楽を覚えるようなアクションはなかった感じ。時たまうねうね動いてたのはちょっと苦手だったかも。ああいうのをベルカ式作画と言うのかしら。個人的には、あまり惹かれるシーンはなかった。
    • いや、違うか。どのシーンもよかったから、どれか一つを挙げることができないってだけかな。真琴は生き生きと動いてて、観てて自然と引き込まれていきました。タイムリープのための疾走シーンで言えば、プールの飛び込み台から跳ぶシーンと、そこまでの流れがよかった。終始テンポはよかったけど、ここは特に見てて楽しかった。
    • むしろ、キャラを顔で判別できないくらいカメラが引いたとこからの、ちょこまかした動きが光ってたかも。主人公の部屋にいる妹と、家の前にいる主人公が手を振り合うとことか、グラウンドで、ボランティア部の3人組が主人公たちを注視してるのがバレて、一人を残してあたふたと木の陰に隠れるところとか。
  • ラスト、夕暮れ時、千昭と真琴が二人で土手の上を歩いてるシーンは、劇場のスクリーンってでかいなあ、と感じました。消えた千昭に対して真琴が画面端っこで立ち尽くすところ、アレは家のテレビで見ても微妙だろうなあ。
  • 川に向けて投げた石が、水面を跳ねていく様子をタイムリープに同期させてる演出。あれ、最近読んだ「やみなべの陰謀」でもあったけど、ああいうののお決まりの演出なのかしらん。
  • 美術館に真琴が魔女おばさんに会いに行った時、背景に映ってる「あの絵」のところに千昭いた?学生服で髪型もそれっぽかったのだけど、どうにも確証がもてない。
  • タイムリープする時の時間軸が、見ようによっては赤い糸に見えなくもない。
  • 高須くんはいいキャラ。主に身内の間で。声優は「ナウシカ」のアスベルとか「もののけ姫」のアシタカ役等で有名な松本洋二。うわ結構なベテランじゃないか。
    • それはともかく、彼にも最後には何らかの救いが欲しかったなあ。「真琴がタイムリープでいい思いをする裏側で、誰かが必ずその被害を被っている」。それは分かるし、最終的には天ぷら事件以前に戻ったので全てチャラなんだろうけど、あれはちょっと可哀想。全体が爽やかな雰囲気で包まれてるだけに。
  • 実は、事前にTVCMを見てて、ひそかに「劇場スケールで鉄壁スカートを堪能するぜ!」と下世話な期待をしていたのだけど、後半にはそんなこと忘れてました。それだけ作品が爽やかだったからか、ヒロインに色気がないからか(入浴シーンとかあったけど)。なんとなく、作り手側がそういうとこに目を向けることを考えてないような気はする。
    • ただ、そういう魅力が完全にないわけではなくて。キャラで言えば原作の主人公で真琴の叔母、「魔女おばさん」こと芳山和子が色っぽかった。後ろで髪がしっぽみたいにちょこんと出てる辺りとか、大学院にでもいそうな、文系の綺麗なお姐さんという感じ。「×××HOLIC」ほどじゃないけど、ちょっと四肢が長いのはご愛嬌。
    • あとは、主人公の親友・友梨ちゃんが傷の手当てしてるとことか。なんか、この映画でこんなこと考えてると知られたら物を投げられそうだ。
    • ついでに、ラスト近くのハアハア言いながら走るシーンが実況点呼ポイント。
  • どうでもいいけど、アニメの場合スタッフロール中に席立つ人少ないですよね。客層の問題か。
  • それよりうちの妹の話しよーよー。うちの妹が馬鹿でさー。


あと、予告が流れてた今敏の最新作「パプリカ」が気になりました。これも筒井康隆。なんかまた走ってた。ホントにキャラ走らせるのが好きだなこの人。主演が林原めぐみ×古谷徹だってさ。