学園キノ/時雨沢恵一/電撃文庫

タイトル通り、「キノの旅」のキャラクターを使ったパラレル物。学園エヴァならぬ学園キノ。これも世界の一つの可能性、とかなんとか。電撃hpの通販本に掲載された3篇をまとめたもの。

……あー、このノリはちょっと苦手だわ。作者が自分のキャラを自分で崩す手法というのは、富士見のシステムで慣れっこだったので、そこは問題ありませんでした。……けど、やっぱりこれはあとがきでのおふざけ程度に留めておくべきだったと、個人的には思います。なんつうか多分、読者に妄想のネタをちらつかせてる分には私も楽しめてたんですけど、作者自身がその妄想で話を作り始めちゃうとなあ……という感じ。

つうか、富士見のギャグ短編は、あそこまで行くと二つの世界が独立並行してるようなもんで、本編でああだったキャラが短編ではこんな扱いに……！とかそういう、片方のキャラや世界観を崩して、そのギャップを楽しむ、というようなもんではあんまりないかな、という気がしてきた。