BBSへの儀礼的無関心

懐かしい単語を引っ張り出してきましたよ。でも、今思うと、BBS⇒個人サイトという流れでこの言葉が使われることはあっても、その逆ってあまりなかった気がする。私の目が届いてなかっただけですかね。


ここ最近話題になってるまとめblog問題とか、そういうのに関して。アフィリエイトがどうとかより、もっと単純な問題もあるんじゃないかと思います。


テキストサイトでもニュースサイトでもその他の趣味のサイトでも、多くの個人サイト管理人は「WEBでは不特定多数の人に発信していることを忘れないように」と言われてきて、まあ基本的にはその場=サイトの外にいる誰かに向けて発信しているわけです。web2.0がどうとかいうこの時代、自分用の備忘録と言っている人でも、身内向けと言っている人でも、それを意識せずにはいられません。


一方、BBSはどうでしょう。書き込みする時に想定している対話者は、常にその場(そのスレ)にいる誰かのことです。そのスレの外からの反応を期待して書き込んでいる人は、あまりいないと思います。


電車の中で、赤の他人がしている話がなんとなく耳に入り、それを後日友人との話のネタにする、ということをする人は結構いると思うのですが、それを本人たちが聞けばいい顔はされないでしょう。事が電車の中ならまだいいんですよ。電車の中で話をしている人たちは、そこが公共空間であることを忘れたわけではありません。けれど、周囲にいる人たちは偶然同じ電車に乗り合わせたというだけの赤の他人です。後日家族や友人と自分のことをネタにされても、それは自分の目が届かない範囲でのことだから、意識しようがない。しかし、ここがwebの厄介なところで、google始め検索エンジンによって情報の整備が為されている今、web上で目が届かない範囲というのは基本的にありません。自分や、自分の属するコミュニティがどこでどのように言及されているかについて、意識しようと思えば、いくらでも意識することが出来ます。


BBSというのは、その場限りのコミュニケーションが成り立つ場です。書き込む人は、常にそのBBSにいる人に向けて書いています。そういうやり取りを、想定していなかった第三者に他所で晒されれば、あんまりいい気分がしない人もいるのかなあ、とも思います。端的に言うと、「おめーに言ってね―よ」って感じで。これはBBSに限った話でなく、blogのコメント欄とかでも同じだと思いますけどね。