「2005年 ライトノベル系 新人作家 読書調査」雑考

http://d.hatena.ne.jp/kirisakineko/20060413#p1


主催者様、お疲れ様です。ぱっと見で感じたことを幾つか。

たけゆゆのこと

特に新人賞を受賞してるわけでもないたけゆゆがトップというのは確かに凄いけど、この場合特筆すべきは1-2巻の読了数があまり変わらないことだと思います。レーベル別にソートすると分かりやすいんですが、大体どのシリーズも読者数の変遷は似たようなもので、1-2巻の間に大きくがくんと減って、後は何かない限り緩やかに坂を下っていく、というのがパターンのような気がします(厳密なデータとかは取ってません。「ムーンスペル!!」が2-3巻で再び上昇しているのはなんでだろう?)。例えば、あげつらうわけじゃないけど、6冊出してる「バクト!!」だと99⇒48⇒44⇒35⇒29⇒30と、1巻時点で半分以上の人間が脱落しています。これは、新人だと結構多くの人がとりあえず手に取ってみているということもあるし、今期のアニメのように、ラノベもこれだけ数が増えるとシリーズを追い切れないから、1巻でつまらないと思ったらさっさと切る、という人が多いことの現れかもしれません。これがベテランの新シリーズとかなら、1-2巻の間ももうちょっと緩やかなんでしょうけど。


そんな中、「田村くん」はというと、347⇒327という変遷。実に1巻を読んだ人の95%近くが2巻も読んでいる、という計算になります。……まあ、実質上下巻でしたし、2巻で完結してるならせっかくだから、という気持ちが読者側にあったことは否定できませんが、にしてもこの数字は末恐ろしい。みんな、よっぽどあの「相馬さんって、誰?」が気になったんでしょうか。でも、2巻は結構賛否両論だったんで、もし3巻目が出たらちょっと分かりませんね。

中村九郎のこと

他に興味深いのは、中村九郎。この人はスーパーダッシュから「黒白キューピッド」でデビューし……まあ、評判はあまり芳しいものではありませんでした。その2ヵ月後、富士ミスから「ロクメンダイス、」が発売されます。これも、評価自体は五十歩百歩だったんですが……何故か、前作より読者数が増えてるんですよね。某所の地雷好き住人たちの心をつかんだ結果か、それとも富士ミスとスーパーダッシュのレーベルとしての差か。多分、両方だとは思いますけど。そういえばこの人、全然音沙汰ないけど、どうしたんでしょ。私はわりとあの言語センス気に入ってたんですけど。


……えーと、まだ何か浮かびそうな気もするけど、こんなもんで。