今期アニメのヒロイン事情

作中での立ち位置とか、ファンの視点とか、そんなのを幾つかの作品について調べてみました。

練馬大根ブラザーズ

紅一点という言葉が似合うヒロイン、マコ。お色気担当。コケティッシュ。小悪魔的で、金にうるさくて、でも迂闊者。ナベシン曰く昔のアイドル歌手のような……と言われて、年代的に体感していないはずなのに納得できてしまうのが不思議。男2人に挟まれてもめげることなく、逆にマッチョになることもなくあっけらかんとお色気を武器にしてるのがよし。それは、こんな下ネタ満載のアニメで頑張ってる中の人にも言えることなんだけど。


……そういえば最近、「紅一点」ってあまり聞かなくなりましたね。戦隊物ヒロインも5人中2人が女性だし。ぐぐったらこんなのが出てきた。

陰からマモル!

基本ハーレム物。ノータリン、ツンデレ、妹と設定が直球過ぎて「キャラ萌え」の視点からはわりとどうでもいんだけど、キャラコメディとして見ると逆にそのベタベタっぷりが楽しい。なんつうか、いちいちベタ過ぎてキャラが何か芝居でも演じてるような感が強いんだけど、それがやけに滑稽というか。かといって、そういう「萌え系」文化みたいなのを馬鹿にしたり、メタな話を始めたりしないのも好感。ネタが笑えなくとも楽しいギャグアニメってあるんだなあ。


あ、でもホタルは好きですよホタルは。なんか最近、自分は一見物静かに見えてその実積極的、というキャラも好きなんじゃないかと思えてきました。淫乱とも言う。

蟲師

ある意味徹底して記号的な「陰からマモル」とは対極。キャッチーなアニメアニメしたキャラもいないし(1話の廉子ばあちゃんは別格)、絵柄的にも地味、しかも全員一発キャラなのに不思議な色香を感じる作品。作画が丁寧で、一つ一つの仕草や生活描写が細やかだからですかね。神は細部に宿る、とか。1話完結っていう性格上、無駄なキャラってのが出てこないから、話とキャラが乖離しないってのも好材料に働いているかもしれない。声優さんの抑えた演技も、作中の雰囲気に合ってます。


にしてもギンコさんは現地妻作り過ぎだ。

かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜

このアニメに関してはいまだ考えがまとまってません。ので、とりあえず現時点で考えてることを。


製作者側がどう考えているのかは知らないけれど、少なくとも視聴者にこのアニメが「百合」作品としてあまり受け止められていないのは明白だと思います。何故かというと、ファンの愛情が、はずむととまり、或いははずむとやす菜といったカップリングに対してではなく、キャラ単体に向けられているからです。作中のはずむの取り合いについて、とまりとやす菜のファンは好きなキャラを応援し、相手を罵倒するけれど、これは、「君が望む永遠」で遥がいいか水月がいいか、という議論と同種のものだと思われます。遥が好きで、水月と孝之との三角関係において遥を応援するけど、だからといって孝之と付き合ってほしいわけではない。それは全く別次元の話とされている。彼女たちの関係をそういう視点で捉えたいのは、声優板のあのスレの住民くらいではないか、という気がします。かといって、TS物に定番の、男から女に変わったことへの、本人や明日太の苦悩も薄い。


要はこれ、額面通り、女の子っぽくて優柔不断なギャルゲ主人公が、本当に女の子になってしまったら……という話でいいのかな。そうすることで女の子しか顔が見えないやす菜は話に絡むことが出来、とまりは自分の気持ちを再確認し、はずむは成長を促される。なんか順番が逆のような気もするけど。


それにしても、まさかここまではずむに人気が出るとは思いませんでした。一連の優柔不断っぷりに離れていくファンも多いようだけど。アニメの中ですらイノセンスな女性キャラが嘘くさくなってしまった時代だからこそ、元男で天然で無防備ってのがいいんだろうか。