ガジェット・ポップ〜蒸気帝国騒動記〜/川崎康宏/GA文庫

ガジェット・ポップ~蒸気帝国騒動記~ (GA文庫)


蒸気機関が文明の根幹をなす神聖機械化帝国ノスタルギア。うだつのあがらない中年団長・グリフィスが率いる第三十八騎士団は、ひょんなことから皇女殿下の家出に付き添うことになる。


どれだけ展開的に盛り上がっても地の文の脱力感がそれを打ち消すってのは、ある意味才能なのかなあ。元々作風的にそんな感じとは言え、それでも「銃と魔法」や「Alice」は一応白熱する見せ場とかあったんだけど、この作品には本当にそういうの皆無。本気で作者にやる気がないのかと疑ってしまうくらいローテンション。巻末についてきたメカデザインの人の設定資料の気合の入り方がなんだか場違いなくらい。……んでも、これが味なんだよなあ。ちょっと、いくらなんでも姫や騎士団の行動原理とかなんとか書き込まなすぎだろ、と思わなくもないけど、ここまでの投げやりな話ってのは、一つの到達点みたいなものとして評価されるべきなのかもしれない。あ、萌えとかもありますよ萌えとかも。副長萌え萌え。普段はツンツンなのにいざ戦場で危険な目に合うと「お家帰りたい―」とかそんなの。


ぶーぶー言われてるイラストは、なんだか「ラグナロク」のダメな時のTASAを連想させられました。味はありますよね、味は。