師忘

終電を逃し、見知らぬ街に1人放り出された夜。次の日も早朝から予定があるので休める空間を探したかったのだけど、ファミレスや漫画喫茶も土地柄的になく、あっても既に閉店時間。ホテルは金銭的に手が出ない。よって、かねてより密かにやってみたかった1人カラオケ特攻を実行に移すことに。横になれるし。


……予想以上に辛かった。淫行対策かなんか知らんけど、部屋の扉が曇りガラスでもなんでもないんで、室内は外から丸見え。中には忘年会シーズン真っ只中のこの時期に冴えない男が1人。誰かが部屋の前を通り過ぎる度、笑われてるんじゃないかと気になる気になる。枕が変わると寝つけない体質なので、眠気は押し寄せてきてるのに眠れないし。他の部屋から聞こえてくる歌声やら嬌声が余りに楽しそうなので、「深夜にうるせー」と頓珍漢な怒りが湧いてくるし。


でもまあ、こういう経験も人生には必要ですよね。きっと、多分。