封仙娘娘追宝録(9) 刃を砕く復讐者(下)/ろくごまるに/富士見ファンタジア文庫

刃を砕く復讐者〈下〉―封仙娘娘追宝録〈9〉 (富士見ファンタジア文庫)


殷雷の体がもう長くないことをとうとう知ってしまった和穂。一縷の希望を託し砥石の宝貝があるという村に一行は向かう。その道中、殷雷の頭には遠い昔の記憶がちらついていた……


……って、上巻で出てきた伏線がほとんど回収されてないー!?龍華はともかく、夜主とか、梨乱とか、村長代理とか、そんな人たち登場どころか、名前すら挙がってませんよ。一応轟武は倒したものの、彼に関しても謎は残ってるし……。そもそも、剣の宝貝がなんで生命までをも作り出す能力を得るに至ったんでしょうか。実は、我々が知らない間に「刃を砕く復讐者(中)」が出ていたとか?うん、上下巻の目次を読んだら序章と終章と、あとは短いインターミッション的なのがあるだけで1章とか2章がないしな。そうに違いない。


短篇集のキャラだったはずの深霜と導果先生が出てきたことはうーん、どうなんだろう……この巻で深霜のことを殷雷が和穂に説明するくだりが短篇集の時とほぼ同じだったりするのは、気になるけど。やっぱりパラレルワールド

両方読んでくれれば、それが一番嬉しいが、本編を読まずとも奮闘編の内容は判るし、逆に奮闘編を読んでいなけりゃ判らない宝貝が、本編の方に登場したりはしないと思う。
今のところは。

これが短篇集1巻のあとがきの注意書き。要は、この「今のところ」が覆されただけかもしれないけど……次の短篇集のあとがき辺りで何かそこらへんについて語ってくれるのだろうか。個人的には、別にパラレルワールド結構ですけどね。和穂たちが宝貝を全て回収し終わった後、誤ってまた宝貝をばら撒いてしまって回収一からやり直し……という、エルフを狩ったり狩らなかったりする奴みたいな展開が思いついてしまったんですが、まさかそんな安易なオチはろくごは使うまい……よね?


考えてみれば、読みきり長編と連載短編を両立させている富士見の作品群の中で、完全なパラレルワールド、というのはあまり思いつかない。元祖である「スレイヤーズ」を始め「オーフェン」「ザ・サード」などは短編⇒長編という時間軸。「エンハウ」は2人の主人公による同時進行。「フルメタ」は途中絡み合いながら、最後には短編の世界を長編がぶっ壊した。あれだけテンションが異なるなら、完全にパラレルワールドにしちゃった方が何かとやりやすいでしょうに(「ザ・サード」は短編でもギャグはあんまりありませんでしたけど)。

「どちらにしろ同じことだからね」
あれを勘繰ると、単純なパラレルなのかと疑念が生じてくる。もしかしたら【CROSS†CHANNEL】なのか?

http://blog.livedoor.jp/yamata14/archives/50246770.htmlより


パラレルワールドじゃなくてループもの。龍華なんかも「時間」の壁にぶつかってたり、やたらそういう方面のネタが多いこの作品のこと、十分ありえそうです。夜主と龍華の関係とかも、ここらへんが関係してくるのかな。あー先の長い話だけど、封仙終わったらろくごには是非SFかミステリーを書いてほしい。そういえば、富士見ミステリー文庫の予定にろくごが名を連ねていたこともあったなあ。この人なら結構まともに書きそうな気がするんだけど……勿論、今の富士ミスの「LOVE」路線でも対応可能。「はっはっは、謎になんてこれっぽっちも興味ないからねえ」とばかりに「閉鎖のシステム」路線に行っちゃう可能性も大だけど、それはそれで。

938 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2005/11/21(月) 11:44:36 ID:v/zj/Z1O
オフでも知り合いの人になつが来たらしいので、「へえ、完結?」と言ったら
「続くんだと!」と半ギレ

ようやく飲めた水は海水だったらしい

ま、気を長くして待ちましょうか。