キノの旅 何かをするために-life goes on.-

劇場版 キノの旅 何かをするために-life goes on.- [DVD]


それはキノが旅を始める前、師匠のところで暮らしていた頃のお話。


黒星絵じゃないというだけでその価値の2割、いや3割くらいは失っているアニメ。その劇場版。でも単館上映だったんで、どっちかというと先行上映という感じが強いです。


……そもそも、なんでこの話を使おうと思ったのかなあ。確かに、キノの旅の始まりということで、重要なエピソードではあるんだけど、特に映画で観たいという話でもないんですよね。「キノ」自体が他のラノベに比べてあまり映像映えしない作品だということは置いとくとして。同時上映があるわけでもなく、これ単体で上映というのはやっぱり魅力に乏しい。時雨沢恵一本人がオリジナルの脚本を書くなり、「MEMORIES」みたいにオムニバス形式(厳密には違うけど)で何本か作るなりすればいいのに。単に、角川(というかメディアワークスか)が昔ほどメディアミックスに積極的じゃなかった、とか?


一部のファンのための映画、ということにしても、なんでわざわざ原作を改変したんだろう。というのも、ネタバレしちゃうと原作ではこの話、旅先でキノをかばって死んだ男の母親に会いに行って、恨みを買って殺されかける、という話なんですよ。それが映画では、その母親の息子が死んだのは本当だけど、その後おかしくなって通りかかる旅人を次々殺してたとか、その母親の殺人依頼を近隣の住人から請け負った師匠が、キノを騙してその母親のところに向かわせた、とかわけわかりません。


見所は、エプロンドレス姿でモトラドに乗ってウィリーしたり、エプロンドレス姿でガトリングガンめいたパースエイダーをぷっ放つようじょキノさん。まあ、あの絵だからいまいち興奮しませんでしたけど。あとは、初めて映像化したと思われる年を取った師匠。安楽椅子に年中座ってるようなのを想像してたけど、意外にガタイがよかったです。


あ、あと特典でついてきた「塔の国」で白鳥哲が出てたよ。わあい。やっぱりこの子のヘタレ役は絶品なのだわ。