悪役系論考 Evilizm Logic

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ちょっと下の方。悪役云々で検索してたら見つけました。魅力的な物語に魅力的な悪役あり、という考えの下に様々な悪役を紹介しています。ちなみにここでの「悪役」という概念は、どっちかというと「思想立場その他、主人公と何らかの理由で対立している人物」って捉えた方がいいのかな。特にプラネテスのハキムとか。ちなみに、この中で誰が一番魅力的かと聞かれたら……うーん、内海課長でしょうか。

劇中で後藤隊長に行動分析されるように、彼のロジックは『子供心』に尽きる。行動原理も価値体系も“楽しさの追求”と“不快の回避”に帰結する。「自分の行動を悪と思わず、また善悪で行動を規定していない」というこのキャラクター性は当時においては勿論、今なお珍しい部類に属する(無垢な少年少女がそういう性格で動いている事はあるが、こんな背広の大人姿というのは類を見ない)。

ここら辺は納得。顔は笑って腹の内は真っ黒、という人は数多くいるけどこの人は全然別物だよなあ。自分の子供心をちゃんと自覚して、尚且つああいうことをやってのけちゃう辺りも素敵。


錬金図書館より


ついでにラノベで印象に残った悪役でも挙げておきましょうか。

  • 赤法師レゾ(スレイヤーズ)
    • シャブラニグドゥに操られてないver。3巻ではそのコピーが出てきた。人間的な側面とキメラ的な能力が魅力。アニメ一期ではラスボスになりおおせた。
  • カーロッタ・マウセン(魔術士オーフェン)
    • このシリーズは典型的な踏み台キャラのハイドラント、ラスボスの風格十分なクオ・ヴァディス・パテル、「絶望」の人ライアンと色々考えたけど、意外なところでこの人を。一言で言うなら「世渡りが上手い人」。世界が滅んでも最後まで生き延びてそう。
  • コーヒー野郎(必殺お捜し人)
    • 奇跡ハンター。本名は忘れました。実は作中でいちばんまともな大人だったのではないか、という気がする。
  • スプーキーE(ブギーポップ)
    • イマジネーターの次くらいには作者に愛されてるキャラ。やってることは外道なんだけど何故か憎めない。再登場した時、絵師の絵柄が変わったことによってかなりスリムになってて読者を驚かせた。西尾維新も大好き。
  • ガウルン(フルメタルパニック)
    • 「愛してるぜ、カシィィィィム!」三度死んでも愛するカシムのために甦ってきたお人。破滅思想の持ち主。でも、「馴れ馴れしいんだ、クソ野郎」と切り捨てられちゃって報われない。最近の長編も好きだけど、こういう魅力的な悪役が足りないのは少し寂しい。
  • 榎本(イリヤの空、UFOの夏)
    • 大人のあざとさを持ってる子供か、子供の純粋さ(色んな意味で)を持ってる大人か。「UFO綾波」という作品にしてみれば加持さん的な位置づけなんだろうけど、あっちとは対極の駄目人間。
  • エス(ザ・サード)
    • 量子論的並行宇宙の無限のifを組み替えることで何でも出来る」とかいう最強キャラ。単純に規模が尋常じゃない。他にもザ・サードの悪役は擬似ブラックホール生命体とかディストーションエンジンを搭載した超弩級機動要塞とか、そんなんばっか。そんな敵にほのちゃんが気合一閃、水戸黄門の印籠もびっくりの一撃必殺で勝っちゃうのが本作です。