ブロークン・フィスト 戦う少女と残酷な少年/深見真/富士見ミステリー文庫

戦う少女と残酷な少年―ブロークン・フィスト (富士見ミステリー文庫)


第1回富士見ヤングミステリー大賞受賞。初期の富士ミス=地雷原を決定づけた記念碑的作品……らしい。関係ないけど、富士ミスの装丁は今のよりこっちのが好みです。


主人公は、空手の女子軽量級優勝選手、羽山秋楽。同じ空手部で友人の武田闘二が煮え切らない性格であることに不満を持っていた。ゴールデンウィーク、彼女たちを含めた空手部の合宿で殺人事件が起こる。帯に曰く、「これは体育会系新本格ミステリーだ!」。


んー、なんか地雷と分かってても踏んでも特に地雷という気はしないなー。これは、私がこの作品の評判を以前からよく聞いていたというのもあるんだろうけど、そもそも、中盤過ぎても推理の材料もろくに与えられてないという時点で既にマトモにやる気がないのが透けて見えるというか、いまいち罠になっていないというか。それでもやっぱり、何も知らずに読んでたらそれなりの衝撃は受けてたんでしょうけど。それより「右足を前に出した」とか「左手を上げた」とかそのまんまなアクションの描写がつまんなかったです。あと、ヒロインは仮にも空手有段者とかなら、素人相手に喧嘩することとかちょっとは躊躇せえよ、と。なんでこの作品の中の空手やってる人はみんな当然のようにストリートファイトやってるんだ。リアルバウトハイスクールじゃあるまいし。