機動戦艦ナデシコ ルリ AからBへの物語/大河内一楼・佐藤竜雄/角川スニーカー文庫

機動戦艦ナデシコ―ルリ AからBへの物語 (角川スニーカー文庫)


TV版と劇場版を繋ぐ「空白の3年間」を小説化。木星に帰るか地球に留まってミナトさんと一緒に暮らすかという、ユキナの苦悩。アキトとユリカがミスマル提督に認められ、結婚にいたるまでの過程。登場人物たちがナデシコを離れ、別々の道を歩み始めるまでの葛藤などを描く。今回の文章は三人称。


元々ナデシコクルーは、TV版でも戦時の一時的な採用で、#19「明日の『艦長』は君だ!」では次の就職先を探すなんて話もあったり、若者の自分探し的な側面が強かった。このノベライズはそこら辺をちゃんとテーマとして組み込んでる辺り好感が持てました。結果的にモラトリアムからの卒業は、アキトとユリカの事故によって半ば強制的にさせられてしまうわけですけど。でも、この話があるから、劇場版の同窓会的な雰囲気がいっそう際立つのです。これが劇場版公開の前に出てればもっとよかったんですけど、そこら辺はまあ今さらどうにもなりませんね。


ま、基本はコメディなんで気楽に楽しめばよいかと。


そうそう、今や黒歴史となってしまったミニ文庫から2冊、脚本家の山口宏が書いたのも出てましたけど、あっちのはつまんなかったです。