シャンク!!ザ・ロードストーリーvol.1 古木の森/秋田禎信/角川スニーカー文庫

シャンク!!ザ・ロードストーリー VOL.1 古木の森 (角川スニーカー文庫)


魔法使いが研鑚の末に辿り着いたとされる不老不死の秘儀。とある事情からそれを求め旅をする、秘儀盗賊シャンクと黒猫の姿をしている魔法使いブリアン、魔力結晶どむーんの旅のお話、3冊目。タイトルとか微妙に変わってますが、前2作はザ・スニーカー連載を纏めたものだったのが今回からは書き下ろしになった、というだけで、内容的にも普通に続いております。イラストも依澄れいから「すきしょ」のつたえゆずへ。


ブリアン、どむーんと離れ離れになってしまったシャンクが、「古木の森」を彷徨い歩く……とまあ、そんな感じの今回。あー、ブリアンすげーいいなあ。この子は元魔法使いで、禁忌を破ってしまったために猫の姿にされてしまった、という設定なんですが。その理由が、ただひたすら自分のために魔法を使わなければならない、魔女は魔法以外のことを気にかけてはいけないという世界の中で、他人のために魔法を使ってしまったから、というんだから可愛いじゃありませんか。情に弱い武器の宝貝みたいなもんなんですが、口ではシャンクのことを罵倒しつつなんだかんだで彼のことを心配するとか、もう。出番の方は微々たるものだったんですが、今回はブリアンの話だと言っても過言ではないでしょう。


一方、話の方は相変わらず盛り上がってるんだか盛り上がってないんだか分からない。結構派手なアクションとかもしてるんですけど、いまいち血湧き肉踊るという感じがしないんですよね。描写が淡白とでもいいますか。これは「エンハウ」の頃からあった傾向ではあるんだけど。「わが胸に眠れ亡霊」みたいなのはもう読めないのかしら。


で、2巻あとがきによると次で終わるはずなんですが、これ終われるのか。