GOSICKs-ゴシックエス・春来たる死神-/桜庭一樹/富士見ミステリー文庫

GOSICKs ―ゴシックエス・春来たる死神― (富士見ミステリー文庫)


聖マルグリット学園に東洋からやってきた留学生久城一弥と、図書館塔頂上の植物園で無数の本に囲まれながら暮らしている人形のような女の子、ヴィクトリカ、そして英国からの留学生アブリルとの出会いを描いた連作短篇集。一つの事件を解決したところで更に別の事件や謎が提示され、それを解決すると更にもう一つの事件が……という形式。


長編と比較しても過不足ない面白さ。……というか、実はやってることがあんまり変わってない。相変わらずヴィクトリカと久条の関係は微笑ましいなあ。序章、「死神は金の花をみつける」はまだ2人が出会う前、時間が経過していくにつれ変化していくヴィクトリカや久条の心情が自然に描かれてるなあ、というくらいで感想があんまり出てこない。


ところでこの短篇集第1巻は、長編1巻以前の話です。で、長編2-4巻と続いて作中の時間は夏休みに突入、現在ファンタジアバトルロイヤルで進行中の短篇集2巻分がここに当たります。そしてまた舞い戻って長編第5巻は、夏休み終了後の話。富士見の短篇集=雑誌掲載分=番外編って、スレイヤーズの頃から話が続いてる限りは作中で時間が経過しないサザエさん時空だと思ってたので、こういう構成はちょっと意外でした。これからもそういう、長編と短編の話が作中の時間でも交互に並んでく構成になっていくのかな?