モンテ・クリスト伯(3)/アレクサンドル・デュマ 新庄嘉章訳/講談社文庫

モンテ=クリスト伯 3 (講談社文庫 て 3-3)


だらだらと3巻目。ローマで盗賊の手からアルベールを救ったことにより、パリの社交界への足がかりを手に入れた伯爵。3ヵ月後、彼はパリに現れ復讐の対象であるモルセール、ダングラール、ヴィルフォールのそれぞれの家に巧妙な手順を踏んで接触した。その類稀なる深遠な知性や哲学、莫大な資金、人脈、その他諸々の力で人々を魅了し社交界の話題を攫った伯爵は、じっくりと、だが確実に3つの家に復讐の網を広げていく。


さて、この巻ではエデやカバルカンティ、ユージェニーなんかが本格的に登場。これで少なくともアニメに出てたキャラクターは大体出たことになりますが、基本的にはみんなあまり変わりないですね。私が入ったのがアニメ版からなんで、どうしてもそっちを基準にしちゃうのはご容赦願いたいんですが、やっぱり一番変わったのは主人公たる伯爵。ちょっと俗っぽいところもあり、やたら人間臭くなってます。個人的には謎を秘めたアニメの方が好き。エデはしょっぱなから「あなたなしには生きていけない」とか「あなたが死んだら私も死ぬ」とか、伯爵に首ったけ。比較的出番が多く優遇されてるように見えるのがマクシミリアンとヴァランティーヌなんだけど、なんかこの2人微妙にウザいなあ……ロミオとジュリエット気取ってる、というか。常に自分が相手のことをどれだけ想ってるか表現し、境遇の不幸を嘆かずにいられない。「俺が俺が」「私が私が」。2人ともこんな我の強いキャラだっけか。どっちかというと奥手で、初々しい二人だと思っていたのだけど。みんなやたらと雄弁なせいかもしれない。まあペラペラとよく喋る喋る。口数少ないキャラってアリぐらいですよ。あーペッポは影も形も出てきませんでした。この調子だとこれからも出てこなさそうです。


あと、書かれた時代が時代だけに結構即座にはイメージできないような当時の風俗習慣なんかも出てくるのだけど、その度にぐぐったりするのが楽しかったりします。こういうのも古典を読む上での楽しみの一つか。このシリーズ読み終わったらまた別の古典も読んでみようそうしよう。