ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス/上遠野浩平/電撃文庫

ジンクスショップ、ビートのアクションメインから路線が戻ったのはよかったけど、どうも主軸の織機絢と蒼衣秋良の話より虚空牙だマンティコアショックだイマジネーターだのといったブギポシリーズ他作品やナイトウォッチなど他シリーズとのクロスオーバーが騒がし過ぎた印象。なんか色々もやもやしたものが残る1冊でした。というかまた水乃星透子オチですか。

本人のパーソナリティに結びつけたやたら抽象的な能力(「心に咲いた花を見れる」とか)を、抽象的なままに話に組み込んで比喩やらなんやら使って読者を納得させられる、っていうこの人の持ち味は、年々弱まってきてるなあ。今さら言うことじゃないけど。劣化ジョジョというか。この巻に関しては、竜巻とかいまいちわけ分からん。

キャラでは、vsイマジネーター口絵でその見事なくびれを見せられて以来、個人的にブギポでいっちゃん好きなキャラになった織機絢再登場。ちょっと明るくなり過ぎてるのが私の趣味から外れてて残念だったけど、ちゃんとあの事件は尾を引いてるようで。一度完結したはずの事件だけど、それは関わったキャラクターにしっかり何らかの影響を与えてて、ストーリーの進行に一役担うってのはこのシリーズの好きなところ。蒼衣秋良、はなんか名前が微妙に厨臭いなあ……位置づけがビートと被ってる気も。今後も出てきそう。一見やることが分かってるように見えるけど実は迷ってる蒼衣秋良と、その逆で迷ってるように見えるけど実はやることがわかってる織機絢っつー対比はよかったね。谷口正樹入れて三角関係にでもする気だろうか。あと、この人を忘れちゃいけないスプーキーE。なんつー不憫な扱いだ。気のせいかイラストで随分痩せたような。

最後に、もう何度かやったと思うけどブギポシリーズ内で順位でもつけてみますか。

ペパーミント>>>(越えられない壁)>>>パンドラ>>>ハートレス・レッド>>>VSイマジネーター>>>歪曲王>>>笑わない>>>ホーリィ＆ゴースト>>>エンブリオ>>>夜明け>>>(越えられない壁)>>>ジンクスショップ

強いて順位をつけるとしたら、という仮定なんで最初と最後以外はすげー適当。多分他の人との違いは「笑わない」の順位が低いこと。別に嫌いじゃないんだけど初めて読んだ当時は青春物としてよりはその構成の方に目が行ってた気がする。こうして見るとやっぱり、バトルメインより「いい話」系のが好きらしい。