ネコソギラジカル 十三階段/西尾維新/講談社ノベルス

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)


私ってのは、基本的にミーハーで、お手軽な人間だと思っています。何か一つ「属性」を持ち、それを貫き通すのが萌えオタとしてキャラクターを立たせるのに手っ取り早い方法ですが、ここ最近はショタだのAIだのツンデレだの、かなり節操なく色んなベクトルのキャラクターを好きになってきました。そんな私でも戯れ言シリーズ、ひいては西尾維新キャラクターにそういう魅力を感じる人だけは信じられませんでした。ホントに、キャラが薄っぺらいとか、あざといとか、そういう問題じゃない。記号的っていうんなら、ここまで記号的なキャラクターもいません。作者が「うにー」とか書きながら完全に冷めてることを読者に隠そうともしない。読者へのサービスのつもりで書いてない。いきおい抽象的な話ばかりになってしまいましたが、そういう理由で、「この小説の魅力はアクの強いキャラクターにある」っていう主張にずっと首を傾げてた。これがライトノベル的だってんなら、ライトノベルに失礼だとまで思ってました。


前言撤回。


誰だとは言いませんが、多分戯れ言を読んでる人で私のことを知ってる人はなんとなく分かるでしょう。あんなパロディであることが話の中で明言されてるようなキャラを可愛いと感じるとは思いませんでした。なんつーか、すごい屈辱。ここまで自分が記号的なものに弱くなってるとは。イラストの方はあまり好きではないので、「イラストに騙された」という言い訳もできません。それでもあえて言い訳させてもらうと劇的に可愛いと思ったわけではないんだけどねー。まあ、読んでる最中は、うん……まーね。しょうがねーよ、ぐらいで。