アニメがお仕事!(2)/石田敦子

アニメがお仕事! 2 (ヤングキングコミックス)


帯に曰く、「朝日新聞コラムで紹介されました!働く全ての人に読んで欲しいビタミン効果抜群の一冊」。で、あの柔らかそうな絵が表紙……騙される一見さん多数の予感。


そして話的にもどんどんどぎつい方向へ。最後の三鷹さんの話は特に、わー全開やなーという感じ。嫌いじゃないんだけど、やっぱりこの作品では男女の話が云々よりは純粋にアニメの話、アニメーターの話が見たい。そらまあ、アニメーターだって色々あるだろうけど。


だからというわけじゃないんだけど、アニメーターの新聞記事の話は面白かったし、なんか色々と考えさせられました。「最初から方向性が決定してる記事」。作者が実際にインタビュー受けたのは朝日新聞。しかも時期を照らし合わせると、あの回がアワーズに掲載したのが9月末。新聞に記事が載ったのが11月上旬。……どんな顔してインタビュー受けたんだろうな。まーそんな下種の勘繰りは置いとくとして、その業界にいる人にしか分からないことってやっぱりあるよね。「こういう記事多いけど、ほとんどがアニメが安いのを問題にしつつアニメの味方じゃない気がする」。今、大勢のオタク(と言ったらアニメーターの人たちはいい顔しないかもしれないけど)が感じてるモヤモヤをうまく話にしてるのではないかと。勿論マスコミなんて多かれ少なかれそんなもんだろうけど、突然日の下に晒されたなら尚更。アニメを見るのが好きな「だけ」の私も、部外者でしかないんだけどさ。笑顔が顔に貼りついてる記者のおばさんが印象的。


http://book.asahi.com/review/index.php?info=d&no=7014


話を戻すと、その一件に加えて同級生が自分より一歩先を行っている(ように見える)ことに焦り、原画のバイトを始めていい感じ堕ちていくニ太君。特に92Pの表情は素敵。それと生き生きとピッチャーの投球フォームを真似るイチ乃が好対照でした。


そしてラストで急展開。あーなんか微妙に3巻で終わりそうな予感が……そうじゃなくとも、あんまり長期連載にはならないかもね。