GOSICK Ⅱ-ゴシック・その罪は名もなき-/桜庭一樹/富士見ミステリー文庫

GOSICK〈2〉ゴシック・その罪は名もなき (富士見ミステリー文庫)
相変わらず微笑ましい2人。女の子の魅力ばっかり強調されて相手役の男はまるで無個性ってんじゃなく、男の子の方も可愛くて共感できるってのはいいなあ。女の子単体じゃなく、関係性重視。ショタとかじゃなくて。ショタでもいいけど。


一方、推理部分のつまらなさは相変わらず。これはトリックがどうというわけじゃありません。今回の話は探偵役のヴィクトリカがある因縁から20年前の既に解決された筈の事件に挑むために山奥の村に行き、そこで新たな事件に巻き込まれる……という形をとってるんだけど、その新たな事件ってのが過去に起こったものと全然関係なくて、オマケ程度にしか見えないってのがなんとも。「本より友達」と「友達よりお金」の対比?無理あるなあ……やっぱりここの人
http://d.hatena.ne.jp/blackrain/20040929#p3
が言ってるように、これは冒険小説なんだろうね。


それと、この作品は世界観も結構丁寧に描かれてると思います。この巻だと外界から隔絶された村の様子とか、灰色狼の伝説とか。一応舞台は第一次世界大戦から数年経ったヨーロッパの小国らしいんだけど、架空の物語と歴史上の出来事が交錯する、なんて出来事もこの流れだとありそう。楽しみにしてます。