BASTARD!! 黒い虹/ベニー松山・萩原一至

BASTARD!! 黒い虹(1) (スーパーダッシュ文庫)


原案:萩原一至、文章:ベニー松山。刊行予告があったのは94年発売の原作15巻。実際出たのは2001年。つうか今月2巻目出るっつうから買って読んだのにまた延期か(`Д´)ノこの人も結構な遅筆のようで。原作者もそんなところに同じ匂いを感じ取って依頼したのか。


まず思ったのは、D・Sの破天荒で傍若無人っぷりはやはり原作者にしか出せないなあと。特に文章だとね。大人しめで、以前出した岸間信明版には多少あった濡れ場も今回はなし。矛盾の多い性格も理路整然と説明されています。大部分はそんな気にすることもなく、というか原作者が考えてなさそうなところまで描写するのに感心してたんだけど、終盤D・Sがピンチに陥った時にあっさりと負けを認め、敵に「殺せ」と言ってしまうところはちょっと違和感を覚えた。そんな簡単に諦めるやつだっけか、こいつ。


ギャグもなく、代わって本編を支配しているのはあまりラノベっぽくない大河ファンタジーな雰囲気。これが初期バスタが好きな人間としてはたまらない。描写もきちんとしてるので原作補完としてもオリジナル物としてもオススメ。


設定で気になったのは、魔法の効きが低下してるのが精霊の力が薄いせいだって言うんなら悪魔だかなんだかの力を借りる暗黒魔術を使えばいいじゃない、ってことなんだけど……まあ原作がそもそも設定破綻してるし、外伝に本編の設定持ち込むのも野暮か。


とりあえず目標は一月10冊、一年100冊なんだけど、現状じゃきついかしらん。見たいアニメも漫画もゲームもいっぱいいっぱい……最新の流行を追いかけつつ古いものも読んでる人になりたい。