私のライトノベル観

megyumi1000-01-06


包括的な話をする場合、出版されているレーベルが何よりの基本。ノベライズ含む。ハヤカワ文庫JA講談社ノベルス、中公C・NOVELSファンタジアなどはライトノベル周辺でしかない。例えば桜庭一樹の著作で言えば、「赤×ピンク」はファミ通文庫、「少女には向かない職業」は創元社ミステリフロンティアというレーベルから出版されている。個人的には後者の方が、前者に比べてよりライトノベル「的」ではないか、という気もしているが、それでも後者はライトノベルではない。


キャラクターイラストが付いている、10代の少年少女を対象にしている、オタク向け、といった要素は、ライトノベルに多く含まれるが、しかしこれらの要素が含まれるからといって=ライトノベルではない。


最初に述べた、レーベルによる定義を無視して、2段落目で述べたような要素を含む小説を仮にライトノベルと呼ぶとしよう。この場合のライトノベルとは、あくまで小説の一形態に過ぎない。既存の小説群の中でも独自の変化(進化とはあえて言わない)の道を辿ってきたことは否定しないけれど、それはあくまで小説の亜種として。オタク的な趣味の観点から見てアニメやゲーム、漫画とライトノベルを並べることはあっても、ライトノベルと一般文芸の境界線が誰の目にも明らかになるまでは(そんな日が来るのかどうか知らないが)、メディアとして並べるなら漫画、アニメ、ゲーム、小説(ライトノベル含む)、という風になる。


なお、私がライトノベルを一番無邪気に、熱心に読んでいたのは90年代後半のことである。勿論、今でも好きな作品は多いが、基本的に私のライトノベル観というのはこの頃に醸成されたものである。現在も、周囲の人に比べれば全く流行に乗り切れていない。できるだけ多く読みたいとは思っているが、限りがある。私自身は現在のライトノベルを理解しているとは全く思わない。だから、私がこの界隈の話をする時、「90年代の亡霊が何かくだまいてるよ」くらいの気持ちで読んでもらいたい。

比較的納得できた抽象的なライトノベル定義メモ