滅びの笛+滅びの宴/西村寿行/光文社
NTRスレ経由。大量繁殖し、凶暴化した鼠の大群と人間との戦いを描くパニック小説。「滅びの笛」は直木賞の候補ともなったらしい。「滅びの宴」はその続編。鼠の異変にいち早く気付いた公務員の主人公だけど、硬直化した官僚社会では受け入れられず職場で孤立していく。そんな彼に失望した妻が浮気するのがポイントその1。その妻が鼠による混乱のさなか、暴徒と化した民衆にレイプされるのがポイントその2。その衝撃で記憶を失った妻が主人公の友人といい仲になってしまうのがポイントその3。個人的には3のシチュが好みだったんだけど、「滅びの宴」ではいつの間にか元の鞘に収まっちゃってたのが残念。あと主人公のハリウッド映画のようなヒロイズムがなんかアレだなあと思った。
鍵/谷崎潤一郎/中公文庫
中年になっても性欲旺盛な妻に応えるため秘密の日記を書き、学生に妻を寝取らせることで自分を奮い立たせようとする老人の話。男の方の日記は全てカタカナで書かれているので、慣れるまでは読みづらい。
なんだか谷崎潤一郎の小説って栄養剤とか注射とか新薬とかその手の単語がやたら多いイメージが自分の中で定着してきた。中年〜の主人公の作品ばっかり読んでるからか?