桐咲キセキのキセキ/ろくごまるに/GA文庫

桐咲キセキのキセキ (GA文庫)

• ろくごまるに、15年ぶりの新シリーズ。一族の後継者争いのための様々なゲームにキセキとそのパートナーである主人公、遊撃部長Kが立ち向かう。
• な、なんだろうこのなんとも言い難い感じ。……自分が読んだ中では土橋真二郎作品に近い感触だった、かな。とにかく捉えどころがない。ろくご作品だと『食前絶後!!』が奇書として挙げられることが多いけれど、わけのわからなさに関してはこっちのほうがずっと上だなーと思った。世界を構成するキーワードは限りなく最小限におさえ、ファンタジー的な要素は端的な記号としてのみかかれる。要はすべての世界設定が「ルール」でしかない。　「“非”世界ファンタジー」という煽りの意図も段々呑み込めてきた。 明らかに他に重要なことがあるはずなのに、誰もそれに言及しない。それは言ってみれば”作中の人物は知っているのに読み手だけが知らされていない”と言う強烈な不安を覚えました。　自分が読んだ時に感じたフワフワ感ってここら辺に原因の一端があるかも。
• オカルトネタを結構突っ込んでそうなのでそちら方面の人たちに解読されることを期待。「昭和38年」ってのはケネディ暗殺でも絡めたりするのかな。
• 奇書ハンターを奇蹟ハンターに空目した「必殺お探し人」が大好きなわたしであることです。
• ひょっとしてあれって星新一リスペクトなのかと一瞬思った。多分関係ない。
• しかしやっぱりジイ様が好きだなろくごは。
• イラストがちゃんと2010年している。