幻夢戦記レダ/菊地秀行/講談社X文庫

幻夢戦記 レダ―ファンタスティック・アドベンチャー・アニメ (講談社X文庫)


1985年にOVAが発売され、日本のオタク文化ビキニ鎧を根づかせた(らしい)異世界往還系ファンタジーを、当時既に『魔界都市』『吸血鬼ハンター』『トレジャーハンター』等のシリーズを開始していた菊地秀行がノベライズ。


スレイヤーズ!』どころか『ロードス』も角川ファンタジーフェアもまだやっていない時代の作品だと言うのに、『日帰りクエスト』のエリみたいな「普段からFT(本文ではSFだったけど)に慣れ親しんでるから突然異世界に召喚されても驚かない」女の子が主人公だったので、驚いた。他にも、ビキニ鎧に対して「こんな露出度の高い衣装を着せるなんてどういうつもりだ!」と突っ込んでみたり。こちらは元が小説、あちらはCRPGという違いはあるけど、やっぱりFTパロディって突然変異的に発生したものではないんだろうな、という認識を新たにする。スレイヤーズは一日にして成らず。……というか、エンデとかそっちの流れを辿ったほうがいいのかなこういうのは。


ただし、本筋はいたって王道の異世界往還系ファンタジー菊地秀行はそれほど読んでいないけれど、他作品と共通するのはスピード感のある描写くらいかな?特にエロくもなかった。


巻末には菊地秀行OVA作監いのまたむつみによる対談が。ここでも菊地秀行があの衣装なんであんな露出度高いの?と突っ込んでいた。海外のSFアート等ではああいった女戦士のビキニ鎧というのはよく出てきたけど、アニメでは珍しかったらしい。また、衣装の割に変にお色気を強調していないことに感心したとか。