ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師/上遠野浩平/電撃文庫

ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師 (電撃文庫)


汝は魔術士、運命の失敗作よ――― 「ペパーミントの魔術士」より


「人の痛みに届く」アイスクリームで一躍有名になった軌川十助の栄光と没落。『歪曲王』までを第1部とするなら、番外編的な存在の『夜明けのブギーポップ』を挟んでここからを第二部とすることもできる。なんだか炎の魔女に助けられたことになっていた飛鳥井先生やスプーキーEも登場。


実はシリーズ中一番好きな話なんだけど、今回再読してみてもどういう魅力があるのかよく分からなかった。なんだろなーブギーさんが言う通り、人の痛みを消すことができるというのは、前進や努力といったものの意味をなくし、やがて緩慢な世界の死に繋がる。でもその能力の持ち主が誰よりも他人に痛みを知ってもらいたがっていた。その辺の運命の矛盾が可哀相だってだけなのかもしんない。