ふわふわの泉/野尻抱介/ファミ通文庫

ふわふわの泉 (ファミ通文庫)


「楽に生きたい」をモットーとする物理オタクの女子高生が、ダイヤモンドより硬く空気よりも軽い「ふわふわ」なる物質を見つけ、一儲けを企む。


多分、ファミ通文庫刊行作中最初にして最後の星雲賞受賞作。新物質とそれを活かす技術力によってそれまでの常識を覆すようなことを実現し、色んな束縛から解き放たれていく様は面白かった。のだけど、うーん、センスオブワンダーが足りないのかな、科学技術マンセーにうんざりし、既得損益にしがみつく古い地球人たちのほうに感情移入してしまった。『クレギオン』だとその辺の人たちも、もうちょっと書き込まれていた気がするんけど……まあ、この話にはあんまり必要ないか。