YAIBA(1)〜(24)/青山剛昌

YAIBA (1) (少年サンデーコミックス)YAIBA (24) (少年サンデーコミックス)


つらつらと当時の記憶を頼りに。


ダイの大冒険』『BASTARD!!』『るろうに剣心』『魔法陣グルグル』『H2』……。好きな少年漫画は色々あるけど、一番少年漫画らしい作品を選べ、と言われたらまず間違いなくこの作品を挙げるだろう、と思う。天下一のサムライを目指す少年、鉄刃がライバルの鬼丸を始め、様々な強敵と闘う。刃が剣の道を極めてもいい意味で精神的に成長しないのがよかった。作者が自分の主張めいたものを漫画に押し込んでこないのがよかった。チキチキマシン猛レースなどの最初からギャグとして作られたものは勿論、基本的にシリアスなヤマタノオロチ編でもオチで日本が逆さまになってしまったり、サービス精神旺盛で遊び心を忘れないのがよかった。風車とかせんぷう剣とかかみなり斬りとか、いい意味で必殺技の発想が子どものそれだったのがよかった。


最初から最後まで……つまり、思春期を迎えてそろそろ対象年齢を超えようという頃になっても、あそこまでハラハラドキドキできた少年漫画はなかった、と思う。この辺りは青山剛昌のデビュー作の読み切りから、自分がまだ読んでいた頃の『コナン』までずっと共通していて、だからこそ子ども達に人気で支持され続けてるんだろうな。