魔術士オーフェン無謀編(13) これで終わりと思うなよ!/秋田禎信/富士見ファンタジア文庫

これで終わりと思うなよ!―魔術士オーフェン・無謀編〈13〉 (富士見ファンタジア文庫)


これで終わりと思うなよ!(前)(後):連載最終エピソード。50回以降積み重ねてきたことの結末。今まで散々オーフェンをトトカンタから追い出す方向に話が進んでたのに、冒頭でいきなりコギーたちがアーバンラマに帰ったことが明かされ、リアルタイムで読んだ時は拍子抜けしたものだけど、まあ、秋田が普通にお別れのシーンを書きたくなかったんだろうな。いつ頃からこの終わり方を考えていたかは作者のみぞ知る……けど、最終的にモラトリアム期間が終了してはぐれ旅と綺麗に繋げたことに、少し感動した。「無謀編は永遠に考えを改めない人の楽園ですから」ってそういうことなんだろうなあ。


これはいったいなんなんだ!?:「とりあえずキャラクターを多く出すことだけを目標に話を繋いだ、そんな話」らしい。ホントにそんな感じだから困る。ああ、既に秋田の中で無謀編は終わってたんだなあ、とそんなことを思わずにいられなかった。いや、単にああいう話を必要に応じて書けるくらい大人になったってだけなのかな。


そこまで責任もてねえよ!:本編終了後を描いた唯一の話。『オーフェン』最大のファンサービス回。特に公式には特定してないのでそちらで好き勝手に妄想してくださいね、というスタンスが秋田らしいと言えるかも。まあ色々考えると、既存のキャラじゃない人とふいっと結婚、ってのが一番似合いそうではあるんだけど。本人的にはオーフェンと一番うまくやってけそうなのはコギーとのことだけど、それを抜きで考えるなら変なネーミングセンスとか、「ラッツベイン」って名前自体とか、辺り一帯焼き払ったりするところとか、はクリーオウに見えるなあ。口調的にはラシィ。思考の片鱗にちょっとコギーっぽいところも。


ぼくのせんせいは:その前が物語の時系列的に最終エピソードで、これが最初期エピソードってのは狙ったのかしらん。基本的に人の死なない話である無謀編は、人が死ぬことによって結末を迎えました、という。まあプレ編に関しては別口かもしんないけど。