肌色一色の雑誌と、ぱんつ付き文庫

HJ文庫及びキャラの!で書いている作家の人が連載を止めるらしい。主な理由として、雑誌の編集方針が初期とは変わってきたこと(誌面が肌色一色とか。これは、雑誌の表紙、或いは「Novel Japan」⇒「キャラの!」っていう表紙タイトルの変更だけ見てもどういう形の路線変更なのかなんとなく分かる)、隔月刊になることによりただでさえ続き物は不利になるのに、且つビジュアル部分を優先させて小説は縮小傾向になるんじゃやってられない、ということを挙げていました。


キャラの ! 2008年 03月号 [雑誌]

キャラの ! 2008年 03月号 [雑誌]


その中で、作家の人は「小説家は小説で勝負すべき」として、例のぱんつ付き文庫、もしくは文庫付きぱんつにも苦言を呈しています。正直に言うなら、安心しました。特にはっとするような理屈を並べていたわけじゃありません。あの企画は、文庫レーベルがどうこうというより『AIKa』っていう作品の特性によるもので、あれが売れたからと言って似たような戦法をすぐ他に適用する、とはあんまり思えません(ぱんつ以外の何らかの付加価値をつけるんならやるかもしれないけど。フィギュアとか)。エロ漫画の特典とは違うんだから。また、あのネタが受けるのは一部のオタクだけ、ということが編集者側にも分かっていたからこそ、秋葉原を中心とした専門店とamazonだけに流通を控えたのでしょう。そういう意味では、まだ大丈夫、きっとまだ大丈夫。……



でも、そういうこと言ってられるのも業界内部にその作家のような人がいるからこそ、という気もします。ネタにマジレス、と一部の人は言うけれど、あえてそういう、至って真っ当な反応をしてくれる人さえいなくなっちゃうと、暴走が暴走を呼んで(アニメキャラの抱き枕がここまでの定番商品になるなんて、10年前、15年前に誰が想像したでしょうか)、行き着く先は氾濫するジュニアアイドルのエロDVDみたいになって偉い人に目をつけられて終了、みたいになっちゃわないか心配。まあ、あそこら辺とは問題の質も規模もまるで違うだろうけどさ。


なお、電撃を経てMFで最盛期を迎えつつある近年の肌色……むしろ桃色一色萌エロ傾向に関して。数年前までは私自身、ラノベにそういうの蔓延させんな、と蛇蝎のごとく忌み嫌っていたのだけれど、今はあまり気にしなくなりました。『デビル17』でも『武林クロスロード』でも『かのこん』でも、それがイレギュラーだと目されている内は好きにしたらいいやん。ただまあ、個人的な好悪で言うなら『デビル17』つうか豪屋大介を受け入れられなかった三村美衣を自分は支持するし、「それは女だからじゃない?」と言ってのけた大森望はなんだかなあ、とは思うのだけど(『ライトノベルめった斬り!』参照)。対談やるに当たって分かりやすいからそういうキャラ分担をしてるだけなのかな。