ARIEL(3)/笹本祐一/朝日ソノラマ文庫

ARIEL(エリアル)〈3〉 (ソノラマ文庫)

女子大生河合美亜の朝は優雅にはじまる。
「うそよ」
絞りたてのレモンジュースと焼きたてのエッグマフィン、一杯のカフェオレが彼女のいつもの朝食である。
「うそばっかり……」
さわやかな小鳥のさえずりとともに目覚めた彼女を待っているのは、いつものモーニング・ミュージック、いつもの朝のTVプログラム―――
「でたらめを書くない!この忙しいのに、のったりTVなんか見ていられるか!」
すっかりぬるくなったコーヒーを銅製のジョッキで流し込みながら、美亜はねじり鉢巻きで母のおさがりの年代もののタイプライターを叩いていた。
「あーったく、どうしてこんな時期にレポートが重ならなきゃならないわけ、それも他人のまで!」
他人の、それも理系の美亜が文系の学生のレポートまで、バイト代わりに引き受けるからこんな目に遭うのである。前後数日間に数ダースのレポートの提出日が重なり、美亜は地獄に片足をつっこんでいた。
「そーそ。はじめっから素直にそー書きゃいいものをかっこつけたがんだから、ったく……あーっまた止まった!」


テレビを見ててCMが入る場面で、本文中に「ソノラマ文庫ARIEL1、2巻全国書店で好評発売中!」というテロップが映ってるテレビ……のイラストが入ってたり、遊んでるなあ。


うんちくが出てこなければ読み易さが格段にアップして、普通のラノベとして普通に面白い。