おおきく振りかぶって(8)/ひぐちアサ

おおきく振りかぶって(8) (アフタヌーンKC)


帯コメント、水島監督色々ダイレクト過ぎますがな。この帯に桐青表紙(5巻口絵と対比なのね)ってのは、この巻の展開を考えると色々来るものが。しかし、よくアニメ放映中に主人公どころか自チームの一人も載ってない表紙にしたなあ。


桐青戦終了。「おおお!」と声出してやたら熱い阿部、「捕ってやるぜ三橋!」がかっこよすぎの泉、最後は普段あんまりいいところがない梓ちゃんが〆。おおお。なんて綺麗な流れ。この巻の桐青メンバーはいい味出してたなー。逆に、西浦側は試合に勝ってもメンタル面で解決すべき課題を露呈してしまったようで……。


この巻は、泉の「だから、特別いい人なわけでもねーっての」に尽きました。三星戦に次いで第二の山となる桐青戦を越えたはいいものの、人間関係の問題は各人の内面に影を落とす。どうにも距離が詰まらないことに苛立ちを隠せない阿部と、依存心が強すぎる三橋を始め、二人を見ていて阿部への不信……ではないけど、ちょっとした不満を募らせる泉や田島。そして花井の三橋「ムカツク」という独白。他にも連載分の内容を聞いてるとこっち方面の問題は色々噴出してるみたいで。特に一番最後のは、ショックを受けた人も結構いるみたい。でも、あの「ムカツク」ってのも自分たちは仲間だと思ってるのに三橋はそれを当然のこととして受け止めきれないことに対する苛立ちから来てるものだし、むしろいい話だと思ったんだけどなー。額面通りに言葉を受け取ると大変。この件に限らず、色んなとこで三橋ナインは「いい人」だと思われがちだけど、内面を覗いてみると色々考えてるんだよ―ってのを見せてくれると、安心します。ここらへん繋がりで。それでも、やっぱり彼らはいい人なんだけどね。


しかし、利央はどうにも受け受けしいね。兄ちゃんに頭掴まれるところとか、ちょっときゅんと来た。兄弟カップリング!そういうのもあるのか!ひぐちセンセは描いてて楽しそうだなあ。