パノのもっとみに冒険/秋田禎信

ファンタジアバトルロイヤル2006年冬号に掲載されていた集中連載もの。同じくバトロイに連載されているショートコミック、きゆづきさとこ「パノの冒険」をノベライズ。


あ、これはなんかいいかも。「オーフェン」にも「エンハウ」にもなかったような雰囲気。魔女見習のパノと彼女の使い魔で猫ぬいぐるみの姿をしたミスターディドゥル。物語の中で、2人は色んな、不思議体験に遭遇する……みたいな感じなのかな。主役2人の噛み合わない掛け合いは今までこの人の他作品で見てきたそれとなんら変わらないんだけど、全体を包むゆったりした雰囲気のせいで、あんまりうざく感じません。だからといって私が惚れ込む文章センスが殺されてるわけでもないし。このバランス感覚こそ最近の秋田禎信に足りなかったものだと思うのです。それが原作という他人の作品から得たものであっても、全然OK。ただまあ、これも万人受けするとは思えないけど。でも、何よりの問題は、今後単行本化があるか、ということなのです。


……ひょっとして、電撃のあれとかあれみたいに絵本にして出したりして。なんだかイラストの挿入の仕方とかもそれっぽいし。