臣士魔法劇場リスキー☆セフティ

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ここ数日、BGVとして流していました。はあ……いいなあ。なんかもう、いいなあ。特に女の子の友情物である「秘密すぎる花園」「大嫌いからはじめよう」、桃太郎のパロディである「桃太郎伝説」「SUPER桃太郎伝説」、サイレント映画風の「胸を張りまっしょい」は何十回と見直しても飽きません。


声優・坂本真綾の仕事としては一番好きなこの作品。役柄として普通の女の子で、舛成孝二の演出がそのキャラクターの構築を実に丁寧にやってるってのが大きいです。次点でkanon天野美汐


シリーズ構成であり、脚本である黒田洋介の仕事について。この人って、よくも悪くもアクの強い脚本を書く人だと思うんですよ。どんな作品でもそれを崩さないから、嵌る時は嵌るし、外れる時はそれはもう大きく外れる。特にキャラづけに関しては、非常に強烈で分かりやすい芝居(もっと分かりやすく言うと台詞回し)を要求します。分かりやすいとこだとリヴァイアスの主人公、昂治の「なんなんだよ、もう」とかスクライドの主人公、カズマの「〜に反逆する!」とか。このリスキー・セフティだと、ある話のアバンでこんなナレーションがあります。落ち着いた中年女性の声で言ってると想像して下さい。

人間の魂を集めるのが死神なら、リスキーは確かにそうだし、人々に幸せを振りまくのが天使なら、セフティは確かにそうだ。でも、2人は何故か1つの体に入っちゃって。すごく矛盾してるけど、それが個性と言うものなら、そういうものなのだろう。きっと。多分……うーん、ちょっと自信ない!

こういうのとか。「昔の人は言いました。右の頬をぶたれたら、左の頬を差し出すフリして頭から相手のみぞおちに突っ込むべきだと」とか。富野監督独特の言い回しを「富野語」と言うなら、黒田洋介のそれは黒田節とでも言いましょうか。で、実際に見るまでは黒田節がこの作品に合うとは思ってなかったんです。アクが強い半面、時々非常にわざとらしく感じられるこの言い回しが、どちらかというと……というか、むしろ思いっきり地味なこの作品に合うとは思わなかったから。


でも、実際見てみると、これが全然鼻につかなかった。黒田洋介自身がある程度自制しているというのもあるかもしれないけど、舛成孝二の細かい演出がいい具合にアクの強さを飽和してるんだと思います。

  • 燃え黒田はいい黒田、萌え黒田は悪い黒田
  • オリジナルだとダメ、原作つきだといい仕事をする


この区分けには異論はまああるんだけど、一緒に仕事する人(主に監督)に出来が激しく左右されるってのは多分正しい。升成孝二はその個性をいい具合に飽和して、ナベシンは一緒になって暴走して、谷口悟朗は細かいところを調整しつつ、より万人向けに仕立て上げて。抽象的だけど、そんな感じ。岩崎良明とか真下耕一は……どうなんでしょうね。


なんにせよ。今後ますます仕事を広げていくと思われる黒田先生ですが、理想的なパートナーといい仕事をしてくれることを期待しています。……なんか気付いたら黒田洋介話に。もっとちゃんとした紹介は下のリンクを。視点がしっかりしてるなあ。


臣士魔法劇場リスキー☆セフティ再評価推進室
http://www12.plala.or.jp/sikoukairo/masunari_riskytaisaku.htm


そうそう、リスキー&セフティ役の岩坪理江。声優を辞めていたんですね。芸達者だったのに、残念。