タイムリープ あしたはきのう/高畑京一郎/電撃文庫

タイム・リープ―あしたはきのう (上) (電撃文庫 (0146))タイム・リープ―あしたはきのう (下) (電撃文庫 (0147))


これ、はまぞう見たら文庫版が2種類、96年版と97年版があるんだけどどういうことだろ。


定番の今さらシリーズ。映画化もされた電撃初期の名作。平凡な女子高生、鹿島翔香はある日、自分の記憶が1日飛んでいることに気付く。前日の記憶がすっぽり抜けているのだ。周囲の人間に前日の様子を聞いても、翔香はいつもと何一つ変わることなく過ごしていたという。翔香は混乱し、学校1の秀才である若松和彦に相談することにする……。


高畑京一郎は、「クリスクロス」にあまり惹かれるところがなくて(あのオチは楽しめたけれど)、以来手を出していなかったのだけど、これは面白かった。現象を元に論理を構築し、論理に従って行動していく。その過程がとっても綺麗にまとまってました。論理の部分に関してはやや抽象的過ぎて時々戸惑うこともあったけど、いい頭の体操になったし。ただ、最後の「あとがきがわりに」の章は正直蛇足だと思う。ああいうノリは嫌いじゃないけど、別にやって下さい……