まほらば#25、26「告げる夜」「まほらば」


25話、珠ちゃんの問い詰めは聞いてたほどではなかったなー。原作既読者の話からもっと鬼気迫るものが来ると思ってたんだけど。逆に白鳥くんはやけに達観した感じでかっこよかった。それと、その後の珠ちゃん桃さんのシーンや灰原さんの語りは好き。「まほらば」ではラブコメより、こういう横の繋がりに惹かれます。黒崎親子はあまり話しに絡んでこなかった。


26話、延々と童話が続く展開は賛否両論。まあ正直退屈なところはあったんだけど、童話を読んで聞かせる白鳥くんと徐々に目覚めていく梢ちゃん、それを見守る住人一同を交互に映していくといった流れはよかったよ。ただ、せっかく住人一同を絵本内の登場人物のモデルにしているんだから、もっと内容をここのエピソードに絡めてもよかった気がする。なんつうか、白鳥くんの創作度が高すぎるのがいまいちこの劇中劇に興味をもてなかった要因。


最後まで安易に悲壮な展開に持ってかないのがいいところでした。珠ちゃんが梢ちゃんのためにどんな黒いことをやったか、とかそういうところを描かない。そもそも梢ちゃんの多重人格があまり辛そうに見えない。シリアスな展開でも、随所にコメディ色を混ぜる。それが、多重人格という本来重いネタと齟齬を起こしていたようなところもあって、気に入らなかった人もいるかもしんない。でも、そう考えると「解離性同一性障害」をアニメ化に当たって「変身」というファンタジーなものにしたのはよかったかもしれない。実際にある病気をファンタジーな手段で治すってのはちょっとアレだしね。


あと不満を挙げるとするなら、灰原さんと桃さんが鳴滝荘を出ていくという話がその後展開せず、結局うやむやになっちゃったことか。ここまで胸を張ってモラトリアム空間を作り上げてるんだから、同じ残るにしても自分の意志で残って欲しかった。


なんにせよ、見てて心地のよいアニメでした。最後までクオリティを落とさなかったスタッフと、終盤では1人5役を演じ切った新井里美は、特にお疲れ様。


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