イリヤの空、UFOの夏#4「水前寺、応答せよ」

イリヤの空、UFOの夏 4 [DVD]


原作の第3巻に当たる「無銭飲食列伝」「水前寺、応答せよ」を20分ちょっとで消化。全くテンションが違う2つのパートをどう繋げるのか不安でしたが、そこは違和感ないものに仕上がってました。ただ、なんで尺が絶対的に足りてないこの状況で「無銭飲食列伝」のエピソードを挿入したんだろうか。そこだけが疑問に残る。いや、原作の中でもこの話だけは好き、って人も多い人気エピソードだし、映像化を望む声が多かったというのも分かります。ただ、尺を考えた場合、削っても本筋に影響が無い話を挙げろと言われたら、これって真っ先に挙がるべきところだと思うんですよ。


出来の方はどうだったかと言われれば、まあ人それぞれ。「美少女ヒロイン」が常に嘔吐感と戦いながら、長い髪の毛が中華丼に入っても、鼻血をぶちまけて顔を料理の中に突っ込んでも尚、食べ続けるっていう非常にアレな絵面を視聴者に不快感を与えないよう、巧く料理してたと言われればその通り。壮絶さが足りないと言われてもその通り。私個人としては、後者の立場を取りたいんですが……まあ、そこはあんまり問題じゃないんです。


大事なのは、Bパート。急転直下の展開で畳み掛けてきて、さあいよいよ盛り上がるぞ!というところ。浅羽と保険医の人の殴り合いとか、結構いい感じだったんですが……なんで、虫を体内からほじくり出すところが丸々カットなのか。具体的には、

  • 浅羽、イリヤの指摘で自分の体の中に虫が潜んでいることに気付く。
  • 浅羽、暗闇の中、カッターナイフの刃をライターの火で炙る。
  • 榎本、学校に到着。校庭の隅にあるトイレ。汚物入れの中に、血に染まった大量のトイレットペーパーを発見。
  • 浅羽とイリヤ、スクーター二人乗り。浅羽の首のところには、血まみれの包帯。「大丈夫?」「平気だよ」。台詞の方はうろ覚え。


こんな感じで、状況から何があったか間接的に察しろ、というような構成になっています。でも、なんであそこを削るのか。あそこは浅羽がイリヤと逃げるための覚悟の強さを表現するとこで、ないと浅羽が本当に駄目主人公じゃないか。規制でも入ったのか、尺が足りなかったのか。どっちにしろ許容できません。これ以外は巻を重ねるにつれてよくなってただけにね……