Girl's Guard 君の歌は僕の歌/桜庭一樹/ファミ通文庫

君の歌は僕の歌―Girl’s guard (ファミ通文庫)


空手家のマリと参謀タイプの雪野。女性専門の何でも屋「Girl's Guard」を営む女の子ペアの話。


「AD2015隔離都市」、「竹田くんの恋人」、そしてこれと桜庭一樹の既刊を読んできたわけですが、どうも「赤×ピンク」以降の評価が相対的に上がるばかり。ホント「赤×ピンク」で何があったんでしょうか。この作品は帯に曰く「カラテラブコメ」となっていて、作者本人が空手経験者であることが何か作品の糧となっているかというと、まあ確かにそういう面もなくはないんだけど物語を引っ張るほどではないし、じゃあラブコメ分は、と言われるとキャラが弱くてあんまし感情移入できない。特に雪野は掘り下げ足りなさ過ぎ。シリアスな場面にもギャグが介入してくる。で、挙句の果てにあのとってつけたような結末……。


いや、まあえらくけなしてるように思えるけど、軽妙な掛け合いとかは好きですよ。戦う女の子、とかそういう根っこのところは今と変わらないし。でも……うーん、やっぱりこの人のファン以外にはオススメしません。