モンテ・クリスト伯(4)/アレクサンドル・デュマ 新庄嘉章訳/講談社文庫

モンテ=クリスト伯 4 (講談社文庫 て 3-4)


起承転結で言うところの「転」。伯爵がそれぞれの家にこっそり植えつけた破滅の種は、今やはっきりとその姿を表し始めていた。ヴィルフォール家ではヴァランティーヌの結婚、というよりむしろ彼女の相続する祖父母の遺産に関して骨肉の争いが繰り広げられ、毒殺事件が起こる。ダングラール家では、伯爵の紹介により突然パリに社交界デビューしたカバルカンティ伯爵とその財産にダングラールがすっかり魅了され、アルベールとユージェニーの婚約を破談にしてしまう。そしてモルセール家では、とある告発によってモルセール伯爵の過去の汚点が明らかになり、その地位から失墜しようとしていた。


ちょっと都合良過ぎなところもありますが、特にヴィルフォールさんとこのお家騒動は面白い。アニメでは一番最初に肩ついたこともあってあまり印象に残らなかったんだけど、同じ家の中でもそれぞれが一物を抱えてる人ばっかりで、その人間模様が複雑に絡み合って、もう何がなにやら。


残り1巻。