シャンク!!ザ・レイトストーリーvol.2/秋田禎信/角川スニーカー文庫

作者曰くお気楽にいこうが合い言葉……はよかったんだけど、気が抜けすぎたのか、エンハウのようなどシリアスは望むべくもなく、オーフェン無謀編のような勢いで突っ走るギャグがあるわけでもなく。全編ギャグの「ザ・どうなるストーリー」もなんだか無謀編終了後数年してから「当時のノリを意図的に再現しようとして書いた」プレ編を見てるようでキレがない。あとがき読んでる限りギャグの才能が枯渇したわけではない、と思うんですけどね。現在唯一進行中のシリーズ物がこれだと、ちょっとまずいかなあ……
と思ってたんだけど、連載分最終話「ザ・シャンクストーリー」で主人公の行動原理が明かされ、物語としての方向性が明確になってくれて一安心。お姫様を救うために旅をする剣士、というひどく王道なものではあるけれど、これで次回への期待が高まります。あとがきによると、連載だけだといつまで経っても話が終わりそうにないので残り2巻は書き下ろし、とのこと。こういう展開になってくると、じゃあ今までのシャンクのドタバタ珍道中はなんだったんだ、という気にもなりますが、オーフェンもアザリー探してる最中、トトカンタで無能警官と戯れてる日々があったわけだし(そうすると今回のシャンクは無謀編最終話みたいな位置づけになるのかな？)そこは華麗にスルー。とにかく、残り2巻はシリアス分増量でお願いします。