“文学少女”見習いの、傷心。/野村美月/ファミ通文庫

“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫)


今回の表紙はどうせなら「道化」(asin:4757728069)と同じ構図にしてもよかったと思うの!ワタシ!


前巻ラストで心葉に「君は僕が大嫌いだ」と言われた菜乃。その言葉の真意が問われる序章的な表題作と、心葉と菜乃、ななせが文化祭で合唱部のコーラス劇に参加することになる「“文学少女”見習いの、怪物。」の二編。


ななせにしても心葉にしても、後日談でここまでの試練を受けることになるとは思わなかった。それだけ本編で書き残したことがあるってことかもしれないけど、野村美月は天性のドSだなあ。この「見習い」シリーズってまずは菜乃の成長を描いた作品であるわけだけど、同時に菜乃っていう「怪物」に心葉たちが翻弄される話でもあるよな、なんてことを考えた。遠子先輩は不在というだけで、これって正当な本編の続編だわ。


しかしななせはなんだか菜乃に触発されて「負けないよ」とか言ってたけど、結末は決まってるわけで、琴吹ななせは二度死ぬ。のはいいんだけど、あと1巻でどう決着つけるんだろうか。この巻ラストで派手な引き逃げをかましてくれたあの人にあっさり見せ場を奪われそう。


……しかし、「文学少女」がアニメで有名になって超展開呼ばわりされた時、俺は多分擁護できる言葉を持たないな。