ショー☆バン(1)〜(33)/原作:森高夕次 作画:松島幸太朗

ショー☆バン (1) (少年チャンピオン・コミックス)ショー☆バン 33 (少年チャンピオン・コミックス)


ストライプブルー』の前身である野球漫画。週刊少年チャンピオン連載。全33巻。自分本位で性格悪い中学生エース・小沢番太郎が成長……するかどうかは別として活躍する。1年くらいかけてようやく全巻読めた……。


ストライプブルー』が野球を通した人間関係を描いた漫画なら、『ショー☆バン』は野球そのものを描いている、と思う。女っ気とかまるでなし。『砂漠の野球部』『おれはキャプテン』でも多少はそういう要素があったというのに……。でも、野球部分はそれだけ面白い、気がする。この人の野球漫画の面白さって、すごい選手がバカスカ打ってびゅんびゅんすごい球放って、っていう大味な面白さ(でも魔球とかそういう類の漫画っぽさはない)と細かい心理・技術戦が共存してるところにあるのかなーと思った。……難を言えば、この人の癖なのかわざとやってるのか、引っ掻き回すだけ引っ掻き回しといて解決はおざなり、ってのは自重してほしい、かな。


にしても、元々毒の強い作風ではあったけど、番太郎の性格の悪さは只事じゃないなあ……。『おれキャプ』のカズマサもなかなかいい性格してたけど、そこはやっぱりキャプテンだし統率力もあったのでなんだかんだ言ってみんなついてきてたけど、番太郎は最後まで我の強い性格が治らないままだった。私自身はこんなこと言ってる人間なので、ある程度暗黒面を出してくれると安心して読めるんですけど、番太郎レベルまでいくとある意味ギャグ。嫌悪感が全くないのは、作者の主人公への入れ込みの問題かしらん。


それと、松島幸太朗のちょっと泥臭い絵も、コージィの昭和な作風によく合ってた。今の絵柄も女の子可愛いし洗練されてて好きだけど、この頃のそれも捨て難いものがあるなー。