孤独のグルメ/原作:久住昌之 作画:谷口ジロー

孤独のグルメ (扶桑社文庫)


渋谷のbook1stで平積みでした。これは復刻された文庫版で、2000年に初版発行で、今年7月に13刷。なんだかんだ言って結構売れてるなあ。書店では漫画文庫の棚でなく扶桑社文庫の棚に置いてあることが多いようなので、探す方の参考までに。ちなみに元のソフトカバーの方は、


孤独のグルメ

孤独のグルメ


こんなの。


個人で輸入雑貨の貿易商を営む独身中年男性が、仕事の合間にふと立ち寄った名もない店で黙々と食べる様を描く。彼は頭の中では色々と面白おかしいことを考えながら食べてはいるが、それを決して表に出さない。


感想見て回ってて、たまにアンチグルメ漫画みたいなこと言われてたけど、それは食ってる最中の脳内談義を口に出さないからだろうなあと思いました。そもそも知識がないからってのもあるだろうけど。ひけらかすのがグルメ漫画。独り言で終わらせるのがゴローちゃん。


あと、B級がどうとかも、あんまり関係ないような気がします。確かに、あんまり高級なところには行ってないようだけど、行けば行ったでゴローちゃんは「孤独のグルメ」始めるんじゃないかなあ。

孤独の愛書家 第1話「東京都千代田区富士見の角川書店

……とにかく本を読みたかった


俺はベストセラー作家の新刊が
出たというので見に来たが、
予想を上回るヒドさだった


そのうえ企業の売らんかな意識が強いせいか
懐に最悪の初回限定版ばかりで
値段がひどい


おまけにどうやら俺は
またもどの本を買うか迷ったらしい
しかも……追い打ちをかける
ように次々と新刊が発売される


まいったな……いったい
どれを読めばいいんだ
焦るんじゃない
俺は本が読みたいだけなんだ
本が読みたくて死にそうなんだ


ああ……情けない
何も選ばずに何をやっているんだ
前に読んだものを読み返すか……いや
同じ本を何度も読んでたら積読が増えてしまう……


くそっ
それにしても
本読みたいなあ
"本"は……
どこでもいい"本"はない
のか


ライトノベル


ええい!ここだ
入っちまえ


「"みークルズサゼスチョン"ポリッシュアップルズください」
俺はできるだけ物おじせずハッキリという
注文を聞き返されるのはやっかいだ


注文をしてしまうと少し気が楽になり
店内を見回すゆとりがでてきた


しかし……みんな萌え絵つきなのはなぜだろう?
でもある種の美意識が感じられる……


地雷小説!
そういうのもあるのか


多いんだな……地雷小説
しかし富士見ミステリー文庫なのにミステリーなしとは
存在自体がミステリーということなのか


うーん……円環少女とSHINOでロリ小説がダブってしまった
なるほど……ヒロインの年齢は二桁に達してれば十分なんだな


このろくごは正解だった
浸かりぐあいもちょうどいい
00年代尽くしの新刊の中ですっごく爽やかな存在だ


まるで小学校の土曜日に家で考えた厨設定のようだ
なんだかあったかくていいジャンルじゃないか


しかし結局このレーベルの中で買う客ってのは
ほとんど文章より絵の客なんだな


俺はゆったりとラノベコーナーを抜け出す
家の床が抜けそうだ……買いすぎた


俺は一般小説に戻ったところで
ライトノベルを振り返った


おそらく……俺はあの小説群には不釣り合いな客だったんだろうな……


俺は得体の知れない奇妙な満足感を味わっていた


……汎用性は高いんだけど、どこらへんまで通じるかよく分からんのでネタとしては使い勝手はあまりよくないかも。あと、やっぱりあの絵がないと威力半減かも。デスノコラとかと同じで。⇒よくできてると思ったの